2010年2月 1日 (月)
岡崎朋美、最後の大勝負
岡崎朋美にとって今回のバンクーバーは、リレハンメル、長野、ソルトレイクシティ、トリノに続いて5回目のオリンピックとなる。
「恋愛かスケートかとなったら、岡崎さんはスケートを選択する人」
後輩でかつてはライバル関係にあった三宮恵利子はこう語っていた。
(写真:前回のトリノでは日本選手団の主将。今大会は旗手を務める)
齢を重ねるにしたがってトレーニングもハードになっていった。重心の低いフォームを安定させるためには下半身を鍛えて鍛えて鍛えまくるしかない。
ここまでしてオリンピックに懸ける、その鬼気迫る情熱は、いったいどこから湧いてくるのか。
岡崎は語っている。
「オリンピックが好きというよりも、オリンピックに至る4年間が好き。確かに苦しいけど、この4年間をどう過ごしてきたかでオリンピックの結果が決まる。そこがたまらないんです」
12年前の長野五輪で銅メダル(女子500メートル)を獲得した。しかし続くソルトレイクシティ、トリノでは惜しくもメダルを逃した。
スピードスケートは、ほんの一瞬の判断が明暗を分かつ。
以前、岡崎からこんな話を聞いたことがある。
「スタートはギリギリを狙うしかない、あとはそれを(審判が)見逃すか見逃さないか。(ピストルが)鳴ってからじゃ遅いんです。鳴る前に出ないと。もう時計は回っているんですから」
ここで彼女は言葉を切り、キリッとした表情でこう続けた。
「私はそういう勝負をしているんです」
氷上のビーナスも、もう38歳。「これをやりたがったがために現役を続けてきたのか」と、こちらがうなり声を発するようなエッジのきいたレースが見たい。彼女には一世一代の大勝負に打って出る資格がある。

