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2007/12/03
星野ジャパン、台湾破り五輪出場決定!

北京五輪予選を兼ねた「アサヒスーパードライチャレンジアジア野球選手権2007」は3日、日本は最終戦で地元の台湾と対戦した。日本は一時、台湾にリードを許したものの、7回に一挙6点を奪って10-2で逆転勝ち。決勝リーグ3戦全勝で、野球が公開競技だったロサンゼルス五輪も含め、7大会連続の五輪出場が決定した。

なお、敗れた台湾は1勝2敗で3位となり、2位の韓国(2勝1敗)とともに、来春の世界最終予選で五輪出場権を目指す。

7回を迎えて1-2。1点を追う苦境で、日本野球が本領を発揮した。5本の単打と送りバント、そしてスクイズ。つなぎの野球で日本はビックイニングをつくり、試合をひっくり返した。

先発は日本がダルビッシュ有(北海道日本ハム)、台湾が右腕のヤン・ジェンブ。予想通りの起用でゲームは始まる。初回、先頭の西岡剛(千葉ロッテ)の打球はショートへのゴロだったが、バウンドが変わってラッキーな内野安打となる。このランナーをバントできっちり2塁に送り、2試合ヒットのない青木宣親(東京ヤクルト)もファーストゴロで西岡を3塁に進めて最低限の役割を果たした。

ここで打席に入った主砲・新井貴浩への5球目は内角にくいこみ、ヒジに当たったかに見えた。ところが、球審の判定はファール。星野仙一監督も抗議を行うが認められない。日本にとっては不運なジャッジだったが、新井は自らのバットで幸運に変える。フルカウントとなった7球目、外角のボールにくらいつくと、打球は三遊間を破り、3塁走者を迎え入れた。4番の執念の一打で日本は1点を先制する。

一方、先発・ダルビッシュは先頭打者にヒットを許す不安定な立ち上がり。2回以降も微妙な制球が定まらず、たびたび四死球で走者を出すが、力のある速球で相手バッターをねじ伏せていく。5回までわずか1安打に封じ、台湾に得点を与えない。

日本はこの間に早く追加点をとりたいところだ。しかし、2つの併殺でチャンスをつぶすなど、なかなかヤンのボールをとらえきることができない。1点リードながら、流れは徐々に日本から離れていった。

イヤな予感は6回に的中する。ダルビッシュは2死を簡単にとりながら、3番ペン・チェンミンにヒットを打たれ、打順は最も警戒すべき主砲のチン・キンポウに回る。ボールが先行し、カウントは1-3。次に投じた外角ストレートは、ストライクをとりにきた分だけ甘く入った。

次の瞬間、鋭い打球が右中間へ。白球はグングン伸び、右中間の最深部を越え、スタンドまで届いた。まさかの逆転2ラン。とうとう台湾が試合の主導権を握り、スタジアムの盛り上がりは最高潮に達した。

この試合、日本は敗れても1-2のスコアなら、韓国、台湾との失点率の差で五輪出場が決定する。ただ、ここまで来れば負けるわけにはいかない。逆転を許した直後の7回、選手たちの思いは1つにまとまった。

まず先頭の村田修一(横浜)が死球を受けて出塁すると、稲葉篤紀(北海道日本ハム)がヒットでつなぐ。ここで星野監督は2塁走者の代走に、1塁コーチとして選手たちに走塁の指示を出していた宮本慎也(東京ヤクルト)を起用。8番の里崎智也(千葉ロッテ)には送りバントを命じた。

そのバントは投手の正面に転がり、3塁は微妙なタイミング。だが、代走の宮本が3塁に勢いよくスライディングし、相手サードのブロックをはねのける。オールセーフで無死満塁。宮本の必死の走塁が光り、日本には絶好のチャンスがやってきた。

バッターは9番・大村三郎(千葉ロッテ)だ。台湾も投手を2番手ゲン・バイシャンにスイッチし、勝負をかける。その4球目、大村はなんとスクイズを敢行。奇襲が鮮やかに決まり、日本は同点に追いつく。

このビッグプレーで試合は一気に日本へ傾いた。1番にかえって西岡は糸を引くような打球をライトへ放ち、3-2と逆転すれば、川崎宗則(福岡ソフトバンク)が三遊間へ、新井がライトへ、阿部慎之助(巨人)がレフトへ――。来た球に逆らわず、逆方向に各バッターがはじき返す。ジャパンのユニホームを着た選手たちは次々と塁上を駆け巡った。気がつけば、打者12人の攻撃で6得点。スコアは7-2となり、日本は試合をほぼモノにした。

結局、ダルビッシュは7回まで投げ切り、あとは藤川球児(阪神)、上原浩治(巨人)が各1イニングずつをゼロに抑えた。打線も最後まで気を緩めることなく、9回にも新井の2ランなどで3点を追加。ホスト国を圧倒する強さをみせ、五輪切符をがっちりとつかんだ。

「うれしいね」
 試合後の星野監督の目には光るものがみえた。予想されたこととはいえ、国際大会の一発勝負はラクな戦いではなかった。それでも選手たちは負けられないプレッシャーに克ち、相手にも勝った。

ただ、本当の戦いは来夏だ。「まだ北京までは遠い」。星野監督も次を見据えている。北京での夢――悲願の金メダルへの挑戦は、まだ序章が終わっただけなのだから。

○星野監督
 これでゆっくりシーズンオフを過ごせるね。でも、まだ北京までは遠い。今日のメンバーがケガなくシーズンを過ごして、みんなで(北京に)行きたい。(選手たちは)頼もしかった。うれしいね。田淵(幸一)コーチを中心に一発に頼らず、いい選手を選んでくれた。(北京では)金メダルを目指して1つになって頑張ります!

◇決勝リーグ
日本代表(3勝)   10 = 100000603 
台湾代表(1勝2敗) 2 = 000002000
勝利投手 ダルビッシュ
敗戦投手 ヤン・ジェンブ
本塁打   (日)新井1号2ラン
       (台)チン・キンポウ2号2ラン

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8/1919:00中国 ○
8/2020:00アメリカ
8/22準決勝
8/23決勝
※試合開始時刻は日本時間となります

この特集について
二宮清純責任編集による野球日本代表の特集。
北京五輪・野球競技に出場する日本代表に関する書き下ろしコラムやニュースを中心にお届けします。
本大会は、各予選を勝ち抜いたアメリカ、キューバ、オランダ、日本、カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、中国の8チームが参加し、8月13日から8月23日にWukesong Baseball Fieldにて開催されます。

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二宮清純 プロフィール

スポーツジャーナリスト。
野球関係の著書に『最強のプロ野球論』『日本プロ野球改造計画』『プロ野球戦略会議』など。最新刊『プロ野球の一流たち』が発売2週間で5万部を突破。

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